【名俳優紹介】勝新太郎(かつしんたろう)
勝新太郎さんをご存じですか?
勝新太郎さんは、日本映画の黄金期に大映のスター俳優だった人です。最近の人のイメージだと、中村玉緒さんの旦那さん、薬物で捕まったお騒がせな人というほうが強いかもしれません。
Wikipedia的な説明はWikiに任せます。
勝新太郎 - Wikipedia
破天荒でむちゃくちゃ面白いのが勝新太郎という役者です。役者にもいろいろなタイプがおりますが、勝さんの場合は何かの役を演じるというよりは、そのまま勝さんが役です。
それを一番上手く表現している言葉が以下です。
座頭市シリーズの制作にて、監督やスタッフと意見が食い違った場合も「俺が座頭市なんだ」「座頭市をいちばんよく知っているのは、俺なんだからーそうだろう?だから俺の言うことは違ってねぇ」
薬物で捕まったという点も、勝さんの汚点のひとつではあるものの、勝さんの作品の評価を下げるものではな全く無いんです。
最近の芸能人って、不祥事を起こすとめちゃくちゃ叩かれるじゃないですか?勝さんが捕まったときも叩かれたんですが、もはやそれもキャラなんですよ。勝さんは、1990年パンツの中に大麻とコカインを隠し持っていて現行犯逮捕されました。記者会見では「今後はパンツをはかないようにする」というとんでもないことを言って笑い(失笑?)を取りました。
ホント、破天荒だけど面白いですよね?映画の中でも、そのままこんな調子ですよw
最近の風潮では、芸能人には高潔が求められ、現実社会で悪事とされていることは映画の中でも表現しずらくなっているように思えます。薬物なんかやった日には干されます。不倫というプライベートなことですら叩かれる。こういう世の中で、アウトローな役を演じてもどこか薄っぺらさを感じてしまうものです。勝さんの場合はそれが無い。現実世界で身を滅ぼそうが、勝さんは勝さん。映画の中のままの勝さんです。
勝さんの代表作を3つ挙げます。
※当時の勝さんの言葉でいうと、座頭市は正妻で、愛人が悪名で、たまに会う酒場の女が兵隊やくざらしいです。
どれも全部、アウトローな役柄なんです。昔の映画って専属俳優の場合はその俳優さんに併せて脚本が作らました。全部、勝さんのキャラに併せて作られたのがすぐわかります。映画の中の人物がそのまま現実世界に出てきたようなレベルです。座頭市の市は博打打ちだし、悪名の浅吉はヤクザの親分、兵隊やくざの大宮は軍人と言えば軍人ですが元やくざです。
奥さんの中村玉緒さんにしても、悪名で共演したのがキッカケで結婚しました。悪名の第一話で、中村さん演じるお絹が、勝さん演じる朝吉に一筆書かせてるんですよ。お絹を妻にしますって。
※ひとつだけ違うとすれば、朝吉はお酒が飲めないところです(笑)勝さんは、大酒飲みですから(笑)
そんな勝さんの作品をぜひ観てみてください。勝さんの作品は、90分ちょっとでテンポの良い作品が多いです。TVドラマを観る感覚で気軽に観れるのも魅力のひとつですね。