bukidartsのブログ

好き勝手にテキトーなことを書いている

佐藤優著「仕事に悩む君へ はたらく哲学」を読んでみた

本書を手にとったきっかけ

きっかけを説明するには僕の経歴を少しかかなければならない。

1982年に生まれ中高を経て1年浪人し大学に入学。大学は5年で卒業した。就職活動をする頃は就職氷河期と呼ばれており、非正規雇用も増えた時期だった。特にやりたい仕事もない僕は意味もなく当時興味のあったIT系へ就職をした。それから理由あって退職、個人事業をはじめた。個人事業をはじめて少し軌道にのった時期に東日本大震災があり、大打撃を受けて廃業した。そして、またサラリーマン生活に戻った。生きるため食っていくために必死だったため、働くことの意味についてゆっくり考える暇がなかった。

本書のタイトルを見て、そういえば働くってなんなんだろう?と疑問に思ってみて手にとった。今現在の仕事には不満はないけれども、今後も続けて行くかはわからないし、将来的に何か別のやりたいことが出てくるかもしれない。そういったときに、働くってなんだ?という哲学的な問いと答えを持っておくことは意義があると思った。

ざっと書くと上記が本書をとったキッカケ

本書のタイトル

タイトルは書籍を選ぶ上で一番最初に読む文章なわけだから非常に重要なメッセージが含まれている。

まず、「仕事に悩む君へ」について。書籍のタイトルに対象読者が直接的に表現されているのがわかりやすい。僕は今現在仕事に悩んでいるわけでもないけれども、過去に悩んだ経験はあるし、将来的に悩むことも間違いなくあるだろう。そういう意味で、この部分は興味をひいた。

次に、「はたらく哲学」について。感じの働くではなくひらがなのはたらくを使われている。深い意図はわからないが、若者向けに平易な内容を書いているという意味だと解釈した。僕は若者ではない。しかし、僕のような中年が仕事の悩みを抱えている場合、若いときに考えるべきことを考えなかったことが要因になっていることが多い気がする。

恥を捨て、新社会人になったつもりで読んでみようと思うタイトルだ。

著者の佐藤優さんについて

佐藤優さんは元外務省主任分析官で今現在は作家だ。過去、鈴木宗男時間に関連し刑事罰を受け拘置所に拘留された経験を持つ。書斎には何万冊もの蔵書を持ちその博識さと鋭い分析力から「知の巨人」と呼ばれることもある。最近で言うと、ウクライナ問題についてコメンテーターとして番組に出演していることも多い。

本書の内容

章立ては以下の通り。

  1. 豊かさの哲学 お金で幸せは買えるのか
  2. 人間関係の哲学 良好な職場環境とは何か
  3. 仕事の哲学 やりがいとは何か
  4. 負の感情の哲学 ネガティブ思考は変えられるのか?
  5. 孤独の哲学 一人は悲しいことか

仕事に悩んでいる方なら、どれかあるいは複数に興味をひいたのではないかと思う。

本書は、頭から順番に読んでいってもよいし、気になる章だけつまみ読みしても良いと思う。どの章も、高校生や大学生レベルでも予備知識がなく読める程度の内容レベルとなっている。かといって内容の浅い薄っぺらい書籍ではない。

それぞれの悩みに対する回答は、哲学書(古典)を引用しながら丁寧な解説が入っている。あまり分厚い書籍ではないので、ひとつひとつの説明は簡潔過ぎると思われるかもしれない。もし、個別に興味を持った事柄があれば、巻末に引用文献リストが掲載されているので購入して深堀りしてみるのもおすすめ。

本書を読んでの感想

薄くて文字数の少ない書籍なので1日で読破できた。(理解できたと言っていない)

僕は、つい4年ほど前に結婚したのだけれども、その前後で仕事(会社)は変わっていない。結婚前は仕事についていろいろ不満や悩みはあった。しかし、結婚後、生活がガラリと大きく変わった影響か、仕事に対する不満や悩みが一気に解決した経験を持つ。仕事内容が変わったわけではない。変わったことと言えば人生における優先順位だ。妻という優先順位の一番高い存在が加わったことにより、今までの悩みなどどうでも良くなったのだ。

要するに、仕事の内容が同じでも自分の価値観が変われば評価もまったく変わってくることなんていくらでもあるのだ。ただ、そのとき、なぜ価値観が変わったのか?どのように価値観が変わったのか?自分の中で上手く言語化して説明ができなかった。

本書を読んで、そのとき自分に起こった変化がどういうものだったのか、気付きを得られた。非常に大事な気付きだった。今後の人生の財産となるだろう。